FC2ブログ
構造(性能)の重要性③
2006 / 03 / 28 ( Tue )
何とも鬱屈した気分になってしまいます。
皆さんもご存知の通り、耐震偽装問題の渦中の人物である建築士の奥さんが、自らの命を絶ってしまいました。
建築士の動機の一つに、この奥様が病気がちだったとの事がありました。
苦しい生活とその医療費に困り、誇りを捨ててまでも、やってはいけない事に手を出した訳ですが、当然の事ながら偽装の責任や非難は当事者である建築士に向くもので、その責任の一端さえ、この奥さんに及ぶ物ではありません。
以前言った様に「貧乏は理由になりません」
ですが、自身が望まない病気と長年闘っていた事に対しては、その気持ちを慮る事は出来ます。
推測で色々な事が浮かびますが、それをこの場で言う事は憚りがあり、心中を静かに察する事と故人のご冥福を、唯々お祈りするばかりです。

今回のテーマは、一連の問題に投げかけた物です。
一級建築士等の技術者は、常にその立場としてのとしての自浄作用が必要であり、他業界に比べて遅れていると言わざるを得ない建築業界全体の発展を目指さなければなりません。
洗練され、成熟した業界とする為にも、この世界を目指した輩たちは勤めなければならないと思っています。
テーマとしては以前より重くなりましたが、襟を正していかなければ、建築業界の地に落ちた信頼を取り戻す事が出来ないと思っています。
様々な思いが交錯しますが、書き掛けにする訳にもいかないので続ける事にします。

では、続きです。


在来工法は、所謂腕の良い大工の経験値が大きく作用されました。
その技法は、従来からの流れがあるもので、既存建築物と現在の建築物の差異があまりに顕著だと、現場(実社会)が混乱します。
私の解釈も多々ありますが、細かい数値等の表現による法整備は遅れていたと見るべきでしょう。
3階建て木造在来工法が認可された際、同じく構造計算書添付を義務化されたことのほかに、ホールダウン等による金物の緊結が併せて条件とされました。
弊社は当時、まだ義務化されていなかった2階建ての住宅にも標準化としました。
皆さんご存知の通り、今では基準法にて義務化されております。

また、構造耐力面材であるダイライト(非木・不燃)がダイケン工業より発表された時、弊社はいち早く耐力的に負荷方向を選んでしまう “筋かい”をやめましたが、横浜ではどうかわかりませんが港北区では一番最初だったと思います。
このダイライト構法は、現在認定施工会社の増加は予定していないそうです。
他にも多々ありますが、法整備の充実化を図ると共に、個別に認可された優れた技術によって『強さの証明を数値化』出来るようになったのです。
現在私が率先して行なっている事は、他社との差別化という意味もありますが、構造計算書による検算を行うことです。
住まいと言うのは、様々な条件が絡み合う物なので、同じ家というのはまずありません。
家族構成、生活習慣、立地環境(風土や土地の形、規模)といった様々な要件があります。
構造計算によって、その家の“強さ・弱さの分布・方向”が理解でき、万一、現法の“穴”があった場合に是正する為です。

例えば、近所の3階建てを思い出してください。
細長く見える建物があるはずです。狭い間口で1階が駐車場とか。
「基準法の緩和」によって、広さ・間取りを“上”に求めた訳です。
所謂、耐震壁というのは、その量・配置を考察してバランスよく構築します。
これは地震だけでなく、風圧に対してもそれぞれ計算しなくてはなりません。
普通に考えて、タバコの箱の様な建物は、縦・横の壁量が少なく、お世辞にも均整が取れているとはいえません。

そこで『偏心率』というものが満たされているか、確認しなければなりません。

建築基準法の中では、2階建て以下の建物については義務化されていません。
そう、構造計算は必須とされていない のです。
経費の掛かる物ですから、殆んどのメーカーはやっていないのが現実ですが、必須でないと言うだけであって『必要ない』と言うのではありません。
ココとっても重要です!!
この点などが、私の言うプロ意識の真髄です。

現実問題として、一見普通の2階建てでも、この『偏心率』を満たしていない建物が存在するのです。
怖い話かもしれませんが、確実にあります。
実際、私が手がけた住宅に当てはまる物がありましたが、構造計算を標準化したお陰で回避できました。
私個人、いや一級建築士としてその様なものは創れませんし、会社としても取り返しのつかない事になりかねません。

先にあげた金物(ホールダウン)の標準化や構造計算書による検定は、基準法の改正を待っていても意味が無いと思っています。
重ねて言いますが、これがプロとしての持つべき考え方、取るべき方向性だと思っています。
安心とは誰がくれるものではなく、プロ(達)自身が切磋琢磨しながら情報を吟味し、日々研鑚する事が第一歩です。
『先駆ける意味の大きさ』と言うのはここにあり、信頼できるプロと言うのはその重要さを知っているはずです。
また皆さんの立場は素人となりますが、ご自分の財産を守ると言う観点に立ったとき、選択・決断せざるを得ない時があり、そこには必ず責任が存在します。

断言しますが、 近い将来の構造計算の義務化は行なわれる でしょう。

個人的には、24時間換気や自動火災報知機などより優先順位は上と考えています。

ちなみに、法による標準化に対する“先駆け”だけではなく、私自身が必要と考え実行した物の例を挙げておきます。
それは、先に述べたダイライトの話、全住宅のバリアフリー化(まだユニットバス出すら商品化されていなかった)、ハウスシック(とりあえずクロスの糊)、制震パッキンの採用(試験的に行なった某メーカーを除くと県で最初)、その他諸々…。
サウンディング(地盤調査)を採用した時、まだ殆んどが大手でしたし、ボーリングに切替えた当時、私の近隣の殆んどは行なっていませんでした。
これは現在でも少ないと思います。

現在取組んでいるのは、真の健康住宅と言えるものです。
ただ単に無垢材を使ったり、珪藻土を設けた物ではありません。
詳しい事が今ここで話せないのは残念ですが…。
興味のある方は、お問い合わせ下さいませ^^;

ハッキリと言える事は、どこで流行っているとか、隣の工務店や大手メーカーがやっているからとか、これなら売れるとか…、と言った安直な考えで行なっているのではないのです。
それこそ大手(おおで)を振って歩きたいですし、気持ち悪いのはイヤなのです。
人に理解される、また、お客様に感謝されると言うのは嬉しいもの。。。
至上の喜びと言える、かけがえの無いものです。


スポンサーサイト



19:32:06 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
<<『正直な家』実況中継/完成① | ホーム | 構造(性能)の重要性②>>
コメント
コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://yumenosumai.blog28.fc2.com/tb.php/37-dd8ec1e5
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |